リベラルの人たちの勘違い

「公務員の給料をゼロにしたって市場原理でバランスするんだからいいじゃん」という議論に対する感想(これですが)を見ていて、思わずため息をついたのです。


公務員の給料をゼロにしたって…という議論に対し、「公務員の給料を高くしておくのは,公務員の汚職を防ぐかなり賢い方法なんだが,公務員の給料を下げろと主張する人にその覚悟はあるか?」という、実にもっともな突っ込みが入った時に「汚職だらけやんw」と反論する人がいました。なんという無邪気な脳味噌。元エントリの趣旨も含めて、ネオかサヨか知りませんが「リベラル」的な発想なのではないかと思うのですが、こういう人は、いわゆる先進国以外の国に旅行したことはないのではないかと思います。


公務員が本気で賄賂を取りに行ったら、今の日本の天下りとかは冗談にしか思えないくらいの社会の腐敗が生じます。


スピード違反のネズミ捕りだって、飲み会の帰りの立小便だって、警察は裁量的に処分することができます。袖の下一つでどうにでもなる世界がありえます。そもそも入国管理だって関税の徴税だって権力の差配でどうにでもなります。日本ではあからさまに万円札をぐちゃっとつかんで渡してこういったシチュエーションで警官の態度が変わることはまずありませんが、世界の多くの国は、そうではありません。


だから「汚職だらけやんw」とか書いちゃう人は、その時点で、脳味噌お花畑の幸せな人です。お前が考える汚職なんて、小さい小さい。


もう一つ。以前書いたエントリで浜岡原発の停止要請に見る、民主党の本質 - 常夏島日記というのがありました。これに対し、自民党が自由を尊重していたと書くのは何の冗談?といった趣旨の反応がありました。これらなどは、まあ、公務員の「汚職だらけやんw」と書く人よりは脳味噌お花畑度合いは低いと思いますが、正直、五十歩百歩です。


権力が本気になれば、オウム真理教対策のときのように、なんにもしていないひとがあるいていて、目の前で警官がこけて見せて、それで公務執行妨害で逮捕しちゃったりします。 つまり、警察が本気でターゲットにしたら、そんなことにまで注意しなければ逮捕されるってことです。もちろん、団体ごと立法で存在そのものを違法にすることだって可能ですし、実際にオウムのときはそうしています。これまでの政権がオウム以外にそういうことを(あんまり)しなかったのは、規制と自由のバランスを考えたからです。


ところで、民主党政権は、民意に沿うとあらば手段を問わず全力でやっちゃう党ではないか、と以前のエントリで書きました。
私は、自民党政権に比べて、民主党政権は、必要と感じた時に、上記のような非常手段に訴える可能性が高いのではないかという懸念を持っています。だからこそそんなエントリを書いたのですが、これに対して「自民党政権は自由を尊重しなかった」という批判は意味がありません。自民党政権のアレですら自由の抑圧に見えたのなら、民主党が採りうる政策はその人たちにはどう見えるか、と問うた時に「何も見えません」と答えるようなものです。見えないのは、見えない人の問題です*1


端的に言います。民主党は、自民党以上に、自由を抑圧する政策を採ることにためらいはないのではないか?という問いに対し「自民党はひどかった」というのは、反論になっていないどころか、理解力のなさを晒すだけの言明です。


リベラルの人って、ネオにしてもオールド左翼にしても、なんで権力の恐るべき影響を軽視するんでしょうかね。私はそのお気楽さをうらやましく思います。みなさん、暢気で本当にうらやましい。


(参照エントリ)
権力に対する無邪気な信頼に裏付けられた憎悪 - 常夏島日記
びっくり - 常夏島日記

*1:はてなブックマークで言えば、id:kojitakenとかid:Apemanとか、id:Gl17とかですけど。見えてないよね、あなたたち。