「株主様」の社内における位置づけについて語ってみようか

典型的な勘違い記事を見ました。株買ったらレバレッジ感半端なさすぎワロタ―はてな匿名ダイアリです。


いいですか、上場企業において、株主様なんてのは、株主総会の時だけにお付き合いをしなければいけないだけの存在です。株主っつったって、別にうちの株式なんてマーケットで買ってるだけなんでしょ。我々社員だって持ち株会を通じて株主だけど、それで何か経営幹部にものが言えるとか、我々のために社員一同ががんばっているとか、そういう認識は全くございません。


では、会社は、だれのために働いているのか。答えは簡単です。


メインバンクと監督官庁のために働いているのです。


メインバンクは、会社の資金繰りから主要顧客から、すべての情報を把握し、それでうだうだと介入してきます。借金しないですむレベルの会社でもお金の融通とか海外の子会社や取引先とのお金のやり取りとかは、たいがい銀行を通じてやることになります。銀行は、うちの会社のすべてを知りうる立場です。そして、経営陣にも日常的に接触しています。株主総会の時だけ思い出したようにうちの会社の計数を見直すような人たちよりも、よっぽど怖く、よっぽど助けになるのです。


そして監督官庁です。業法に基づいてえらく細かいことを言ってくるのですが、会社が倒れそうになったら必死にサポートしてくれます。そもそも、業界の規模が大きくなって雇用者数とか利益水準が上がれば、当然、動員できる選挙の票とか政治資金の額も上がってきます。そりゃもう必死に業界の規模を大きくすると同時に、自分たちの発言力を維持するための規制は残したがるわけです。


そういう人たちに比べて、一般株主は何か努力をしたのでしょうか。冒頭の記事のように、自分は働きもせず儲けたいとか、そのような人たちばかりでしょ。そういう人のために働こうなんて思いませんってば。むしろ、時々は彼らの利益を度外視した公募増資とかして、既存株主に泣いてもらいながら、自分たちの会社の投資資金を調達し、銀行とかにも儲かっていただく。そんな場合の株主なんて、会社と、メインバンクのためのお財布です。


時折、株主がしっかり報われている会社がありますが、それは、ユニクロだったりセブンアンドアイだったりソフトバンクだったりワタミだったり、いわゆるオーナー企業に多く見られます。そりゃ、オーナーは自分の株の価値を上げるために会社や社員をどう使うべきか必死に考え抜きますよねぇ。会社の社員よりも、メインバンクよりも、もちろん、監督官庁よりも。だからその他の零細株主が報われるわけですよ。


株主であろうがなんであろうが、頭振り絞って考えて知恵を出した奴が勝ちなんです。株主が頭振り絞って知恵出さないなら、株主のお金を預かる会社経営者が頭振り絞った分、株主のお金を会社が好き勝手に使えるわけです。銀行が頭振り絞って知恵を出すなら、株主よりも銀行のほうが大事だったりするわけです。監督官庁だって同様。


要は、ちゃんと考えた者が一番儲かって、その儲けは、ちゃんと考えてない奴から来る、という当たり前の話でした。


(参照)
オーナーがいる会社と、いない会社、あるいはユニクロとオリンパス - 常夏島日記